訪問歯科診療とは?

訪問歯科診療とは、わかりやすく言えば「来てくれる歯医者さん」です。

お年寄りやお身体の不自由な方は、歯科診療を受けたくても自由に歯科医院に行くことができません。だからといって、歯科治療や口腔ケアを受けられないままでいると、口腔内の健康を損なってしまいます。そこで、ご自宅や施設などに伺って、医院と変わらない治療をご提供できるようにしたのが「訪問歯科診療」です。

いちばんのメリットは、歯科医院に行けない方も十分な歯科診療を受けることができ、口腔内の健康をしっかりと管理できることです。また、日頃ご自宅や施設で過ごされることが多い方にとって、外出しての診療はとても緊張するもの。診療が終わったらぐったり疲れてしまう方も少なくありません。しかし訪問歯科であれば、いつも過ごしている場所に歯医者さんが来てくれるため、リラックスして診療を受けることができます。介護をしている方にとっても、送迎や付き添いの負担が軽減されるのは大きなメリットになるでしょう。

歯科診療の目的

歯科診療の目的は2つあります。1つは、虫歯や歯周病など、口腔内疾患の治療をおこなうこと。もう1つは、口腔内の衛生を保つためのケアをおこなうことです。この2つを怠ると、次のような問題が生じてしまいます。

治療を怠ると……

虫歯や歯周病は、治療を先延ばしにすればするほど症状が悪化し、大がかりな治療が必要になるだけでなく痛みも伴います。症状が進行すると、最終的には大切な歯を失ってしまいます。

口腔ケアを怠ると……

口腔ケアを怠ると、口腔内の細菌が増え、虫歯や歯周病を引き起こしやすくなります。また、その影響は口腔内だけに留まりません。口腔内が不衛生になることで増殖した細菌は、口腔内から気管・血管・食道などを通して全身を巡ります。これによって、次のような疾患を引き起こしてしまうおそれがあるのです。

細菌の侵入経路 引き起こされる疾患
気管から肺へ 誤嚥(ごえん)性肺炎
血管から肺へ 敗血(はいけつ)症
心臓弁膜へ 心内膜炎
食道から胃へ 胃がん

このような疾患を予防するために、口腔ケアは非常に重要な役割を果たします。しかしながら、看護・介護の現場では、口腔ケアの重要性があまり認識されていないのが現状です。患者様・入居者様にきちんとした口腔ケアを提供している施設や病院は多くありません。

歯科診療は、誰もが受ける権利があるものです。長期療養病院や老人介護施設、サナトリウムや障害者施設を運営する医療・介護事業者のみなさま、患者様・入居者様の健康を守るために、訪問歯科の大切さを見直してみてはいかがでしょうか?

メールフォームにて24時間受付中 訪問歯科無料勉強会のご案内